<イベント告知>
コロナ禍で伝統工芸事業者の「4割」が年内廃業の危機――。業界関係者のネット上でのアンケートで、こんな結果が出た。ただでさえも、伝統的工芸品産業の生産額は、バブル崩壊後の1990年以降減り続け、今では5分の1にまで縮小している。
しかし、With・Postコロナ時代、グローバル資本主義・競争主義が大きく揺さぶられているからこそ、新たな形での伝統工芸復興の道筋があるのではないか。伝統工芸は、自然環境の優位性や原料資源の存在、その土地に根付く特殊な技術をもって、古来から民衆の日常生活に用いられてきた生活用品のことをいう。SDGsを中心に据え、ステークホルダーが、WIN-WINで着実な経済成長を遂げていく、分散型社会がかつてなく注目されている中で、伝統工芸はしなやかにそのスキームやデザインを現代にあった形に進化させながら、サステイナブルな分散型社会を築く礎となる可能性を秘めている。また、現代アート・メディアアート・モダン建築などが地方創生文脈に関わるようになり久しいが、これらの取り組みと伝統工芸、また一次産業はどのように融和しながら、地域を作っていくか。
本パネルでは、経済産業省伝統的工芸品産業室係長の中島智美氏、不動産クラウドファンディングのプラットフォーム『クラウドリアルティ』の執行役員でありがながら分散型社会・地方創生をキャリアテーマに活動してきた幸田泰尚氏を迎え、ソーシャルインキュベーター『Spero』代表の高橋ひかり氏がモデレーターとして、それぞれの立場からの地方創生と伝統工芸、文化芸術を聞く。
登壇者情報:
- 中島 智美/経済産業省 伝統的工芸品産業室 係長
- 幸田 泰尚/株式会社クラウドリアルティ 執行役員
- 泉志谷忠和/YHIAISM 代表, Renaissance Program 共同代表
- 高橋ひかり /株式会社Spero 代表取締役, 京都芸術大学 客員教授